
耐震性に優れた住宅
1995年1月17日未明の阪神・淡路大震災により、木造住宅等が大きな被害を受けたことから、住宅の耐震性が重要なポイントとなってきました。木造住宅において被害が大きかったのは、すでによく知られているように在来工法住宅ですが、その多くは建設年次の古いもの(耐震性を盛り込んだ建築基準適用以前のもの)と、新旧を問わず耐力壁が少ないなど耐震的に不備なものであったといわれています。つまり、建築基準適用後の木造住宅、住宅金融公庫の融資を受けた住宅については、比較的に被害が少なかったという調査結果が報告されています。
そこで、耐震性に優れた木造住宅を建設するためのポイントとして、建設省のマニュアルでは次のような項目をあげています。
- 建設地盤の性質や周辺の状況を把握し、最適な配置や基礎を選定します。
- アンカーボルトで土台と基礎を緊結します。
- 柱は十分な太さを確保し、2階の柱や壁は、なるべく1階の柱や壁の上にのせます。
- 耐力壁は十分な量を確保し、片寄らないようバランス良く配置します。
- 床面や屋根面の水平剛性を高め、地震時に住宅が部分的に大きな力を受けないようにします。
- 平面や立面の形状は、なるべく単純でまとまりのよいものにします。
以上の項目を確認することで、木造住宅であっても耐震性に優れた住宅を選ぶことが出来ます。
バリアフリー住宅
年をとると身体機能の低下や視力の低下によって、若いときには感じなかった危険な思いや不便さを感じるようになります。統計によると、住宅内の事故による死亡者数は、年間に約4,700人に上ります。その内訳は、浴室等での溺死、床の上での転倒、階段等からの転落など、住まいの中の行動の妨げになる要因に関連する事故が多くを占めています。そこで、住まいの中の行動の妨げになる次の要因(バリア)を取り除いた住宅をバリアフリー住宅といいます。高齢者になったときにもそのまま住み続けられ、高齢者だけでなく、妊婦や幼児にとっても優しい住宅がバリアフリー住宅です。
- つまづいて転んだりしないように、出入り口や床の段差を無くします。
- 高齢者等の寝室と便所は同じ階に配置します。
- 車椅子が使用できるように廊下や部屋の入り口の幅を広くします。
- 階段は手摺りを設け、適切な寸法で穏やかな勾配にします。
- 浴室は介護もできるように広くするとともに、入り口の段差を無くしてスロープなどを設けます。
省エネルギー住宅
地球温暖化の防止や自然環境の保全を図るため、特にエネルギー消費量の多い日本等の先進諸国では、住宅の省エネ化を促進する必要があります。省エネ住宅は、電気やガス、石油等のエネルギーをたくさん使わないですむ家の構造とする「高気密・高断熱住宅タイプ」と、環境を破壊しない自然エネルギーを積極的に利用する「パッシブソーラー住宅タイプ」の二つに区分されます。しかし、これらの2手法は併用が可能ですので、いずれ統合されていくものと考えられます。
- 高気密。高断熱住宅タイプ
家の気密性・断熱性を高めると、外に熱が逃げにくくなり、外気も遮断できるので、冷暖房を中心に省エネの効率はかなり高くなります。床・壁・天井裏を断熱材で覆い、また窓も一枚ガラスではなく、複層ガラスやン二重サッシにすると、より省エネ効果を高めることができます。
- パッシブソーラー住宅タイプ
太陽や風、緑など自然を利用した家は、省エネ効果があります。天窓や高窓を設け、明り取りにしたり、家の中に風の道を通して涼を取る、あるいは夏の強い日差しを遮る庭木(落葉樹)などは、従来から行われてきた省エネの工夫です。この考え方を進めたのが、パッシブソーラーハウスです。このシステムは機械設備を使わないで建築的な工夫によって、太陽エネルギーを取り入れたり遮ったりして、暖房や冷房を効率的に行うものです。
環境住宅
環境住宅とは、「地球環境を保護するために、エネルギー・資源・廃棄物などの環境に関わりのあるさまざまな面に配慮し、自然環境と調和しながら健康で快適に暮らせる住宅」のことをいいます。
省資源や省エネの配慮ばかりでなく、住む人が地球上のあらゆる生き物と共存する理想的な住まいと環境づくりを考えていこうという試みです。太陽だけでなく風力なども取り入れていますし、屋上緑化、雨水や排水の再利用など、自然のエネルギーを利用することと、自然の潤いを活用した次のようなさまざまなアイデアが盛り込まれています。
- 省エネルギー性能を有する住宅で、かつ落葉樹等の植裁計画との連携に配慮。
- ソーラー発電や太陽熱利用など自然・未利用エネルギーを活用。
- リサイクル資材や節水施設等を活用。
- コンポスター等によるゴミや廃棄物の削減に配慮。
- 庇やルーバー、屋上植栽、通風や採光など、地域の自然環境に折り合う設計上の工夫。
健康住宅
健康住宅という言葉は昨今様々な建材メーカーや住宅メーカーによって使われ、社会に認知されるようになってきましたが、必ずしもその定義は明確ではありません。特に、住まいの新築等を契機に発症する化学物質過敏症等のアレルギー症状「シックハウス症候群」の問題を契機に、国においても「健康住宅」をテーマに様々な研究・訴査が行われており、平成10年には3物質及び3薬剤(ホルムアルデヒド・トルエン・キシレン・木材保存剤・可塑剤・防蟻剤)を率先取組物質とする、ガイドライン等を公表したところです。また、平成12年には8物質(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジーn−プチル)の室内濃度に関する指針値が定められ、さらに平成13年度までに5物質(テトラデカン、フタル酸ジー2−エチルへキシル、ダイアジノン、アセトアルデヒド、フェノブカルブ)の指針値が追加されました。
一般に「健康住宅」と称する住宅は、次のような点に配慮した住宅をいいますが、住まい手が「健康」を実感する状況に個人差があるように、本来は住まい手や家族に化学物質へのアレルギーや匂いやなどに敏感な人がいないかを個々に確認した上で、化学物質過敏症の事例を紹介したりしながら、建材や工法を選択する配慮が必要だと思われます。
- 化学物質の含有量・放出量が少ない建材を使い、計画的な換気量を確保して、化学物質による室内空気汚染を低減させる。
- 細菌、カビ、ダニ等の生物による健康被害を低減させる。
- 断熱性能や計画換気に配慮し、温度環境や湿度環境を快適にする。
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