
住宅の購入や建築の際には、必ずきちんとした契約を取り交わしておくことが必要です。内容をよく確認せずに契約書を取り交わしたり、きちんとした契約をしないまま話を進めたりすると、必ず後で大きなトラブルのもとになります。
契約には、住宅を建築する場合の「建築工事請負契約」と、土地や建物を購入する場合の「不動産売買契約」の2種類があります。
1.建築工事請負契約
工事施工業者を選ぶにあたっては、見積書をとり、ある程度の信用調査をするなど、慎重に検討したうえで決めたはずです。工事を進めるにあたっても、工事施工業者が決まったからといって急いで着工するのではなく、慎重に工事請負契約を結んでから進めるべきです。工事に関するトラブルの大半は、安易な約束から生じる双方の主張の食い違いに端を発することが多いものです。特に、工事の着工前または着工後に解約を申し出た場合、どのくらいの解約料が発生するのか確認しましょう。
工事に関するトラブルを防ぐうえから、また、お互いの信用を傷つけないためにも、内容を明確にした請負契約を結ぶことが大切です。
建築工事請負契約
住宅の新築やリフォームなどの工事を行うときは、建築工事請負契約を締結します。一般には、「工事請負契約書」、「工事請負契約約款」及び「設計図書」が一体となって契約の内容となります。また、内訳明細書付き見積書や工程表も重要な資料となります。
また、工事請負契約の場合は、最初に実物を見て契約する売買契約とは違って、設計図面やイメージパースなどから完成する住宅を想定して注文することになります。従って、工事が進捗し住宅が出来上がってくると、最初のイメージと実際の住宅との違いが何かと気になり、仕上げの変更や設備を追加されたくなってきます。このような設計の変更は基本的には可能ですが、お金と時間がかかります。また変更契約などに関する手続きはルーズにせず、必ず書面で行なうようにしましょう。
工事請負契約書
売買契約書には、一般に次のことが記載されています。
- 工事場所
- 工事内容(建物の構造、工事範臥建築面積、床面積等)
- 工期(着手の時期、完成の時期)
- 請負代金額(工事価格及び消費税)
- 支払方法(契約のとき、中間金、完成引渡しのとき等の支払い時期と支払い額など)
- 物件の引渡し時期
- 工事内容の変更の場合の扱い
- 契約当事者間に紛争が生じた場合の措置(建設業法に定める建設工事紛争審査会の斡旋または調停によって解決を図るなど)
- 特約条項(瑕疵担保責任(隠れた瑕疵があったときの責任者)の扱いやその他の取り決めを定める)
契約書は売買契約の基本になるものです。契約書の案を事前にもらって、十分にチェックしましょう。
もし、不明な点があれば理解できるまで質問してください。
工事請負契約約款
工事期間中に起こりうる様々なトラブルについての解決方法が書いてあります。標準的な約款としては、「住宅金融公庫融資住宅工事請負契約約款」などがあります。解約、瑕疵担保、履行遅延などの取扱いに関する条項です。
設計図書
注文した住宅の具体的な内容や工事の方法などを、図面や文章で表現したもので、一般には設計図面、工事仕様書などを言います。その他に、見積書(工事内訳明細付き)、工程表、打合わせ記録ども、重要な資料となります。標準的な仕様書としては、住宅金融公庫が監修した各種住宅の工事共通仕様書があります。また、工事進捗中の設計変更を容易に考えず、設計に際しては納得のいくまで業者と検討してください。
契約の注意点
契約は、必ず書面で行いましょう。そして、契約書及び契約約款は、契約する(印鑑を押す)前に熟読し、疑問や分からないことがあったら、納得できるまで聞きましょう。また、意に添わない部分があれば、協議し修正のうえ契約しましょう。曖昧なまま契約すると後でトラブルの原因になります。(契約した後で、「よく読まなかった」とか「分からなかった」と言っても遅い)また、契約書や契約約款の内容については、特に次のようなところに注意しましょう。
瑕疵(かし) 担保(保証期間のこと)
・新築住宅の場合
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、住宅の新築工事を請負った工務店や分譲住宅の売主は、施主や買主に対して、新築住宅の基本構造部分に引き渡しの目から10年以内に瑕疵(欠陥)が発見された場合、それを無料で補修するなどの責任を負うことになりました。契約書の特約事項により期間を20年に延長できます。
・その他の場合
記述が無ければ加えるo「連合協定契約約款」では、木造の建物は1年間、石・金属造・コンクリート造等は2年間となっています。ただし、瑕疵が施工者の故意又は重大な過失による場合は、1年間を5年間、2年間を10年間としています。
|